« 雨を泳ぐ夢 | トップページ | 青春だもの、完全燃焼は美しい »

危険な夏

私はひどく驚いてしまった。
考えてみれば、それはそうなのだ。
当然のことなのだ。
先日、愛知県の小学一年生が熱射病で亡くなるという痛ましい出来事があって以来、教育現場の暑さ対策、とくに冷房設備のことが話題にされる。
たまたま見ていたテレビ番組で、ゲストのコメンテーターの女性が叫ぶ。
「教室に冷房のない学校があるなんて知らなかった!」
なにを寝ぼけたことを言っているんだろう。
一つ一つの教室にクーラーがついてるなんて、私立だけでしょ?
と、私はそのときまで本気で思っていた。
しかし、現実は違った!
寝ぼけていたのは私だった。
昨年4月の文科省の調査によれば、全国の公立小中学校の普通教室、特別教室を合わせた空調設備設置率は41.7%。
東京都の普通教室のみをみれば、実に99.9%が設置済みである。
えーっ! そうなの?
ずるい~ という言葉が口から飛び出しそうになる。
次男が通う中学は、かわいそうに、一般の教室にクーラーは一台もない。
数年前にやっとついた扇風機が、生ぬるい風を送るだけである。
校舎をどんなに強い日差しが照り付け、ねっとりと湿った不快な熱気に包まれようとも、どこにも逃げ場はない。
教室にも冷房がつけばいいのにと思い続けてはきたものの、学校とはそういうものだから仕方がないとずっとあきらめていた。
どこの学校も同じなんだと信じ切っていた。
ところが、気が付けば世の中は変わっていたのだ。
私はいったいいつの時代を生きていたんだろうという気持ちになる。

文科省は平成10年から3年に一度のペースで公立学校施設における空調設置状況を調査してきたそうである。
最新の調査が昨年、平成29年のものだ。 その報告は以下の通りである。

Photo_2
また、過去の設置状況の推移を表したグラフを見ると、ここ数年でグイグイ増加しているのがわかる。
これぞ、世の中の動きなのである。
Photo_4
因みに、都道府県別にまとめられた報告もあり、参考までに小中学校の一覧表を載せてみる。
Photo_6

都道府県別の数字を見たところで、こんなのあてにならないなぁと思うのは、同じ県の内部ですら地域によって格差が大きいという実態があるからだ。
それぞれの市区町村別の数字を見なければ、正確な状況は分からない。
結局は学校の設置者である自治体の財政状況により、必要性は感じていても、学校の空調設備にまで手が回らない厳しい現実もあるのだ。
空調の設置や維持の費用を考えると、少々国から補助金が下りたところでどうなるものでもない。
「じゃあ、あとできるのはクラウドファンディングだね」と長男などは冗談混じりに言う。
実際にそれで学校にクーラーを設置した自治体もあるらしいから、まんざら夢でもないかもしれない。
義務教育期間は全国で教育環境を統一すべきとの声もある。
資金だけのことなら、どうにかならないものなのか。
とはいえ、ない袖は振れぬという事情もわかる。

自分自身の子ども時代を思い返すと、小学校、中学校、高校まで、教室に空調設備どころか扇風機さえなかった。
夏は九月に入っても教室は暑さで蒸れ返り、だるさで息がつまった。
昨今の夏の猛暑はそれ以上である。
テレビで繰り返される「命にかかわる危険な暑さ」という言葉が決して大袈裟ではない。
毎日子どもを学校に送り出すことに、決死の覚悟が必要である。
水分補給を怠らないこと。
少しでも体調に異変を感じたら、早めに対処すること。
周囲の友達の様子にも気を配ること。
分かっているとは思っても、つい口うるさくしてしまう。
「熱中症に厳重警戒!」「激しい運動は中止しましょう」と各方面から私のスマホに通知が入るが、そんなことで部活動はなくならない。
夏休みだって、湯気が出ていそうなほど熱せられた学校へ行く。
教室にエアコンがないのだから当然、バスケ部の活動場所である体育館にだってあるわけはない。
外で活動する野球部やサッカー部、テニス部などはどうしているのだろう。
連日の猛暑で、保健室の氷も足りなくなったと次男が言っていた。
学校の先生たちだって子どもと同じ環境に身を置いて仕事をしていると思えば、信頼してお任せするしかないのだが、任せておいてほんとうに大丈夫なの!?という疑念が、むくむくと頭をもたげてくる。
自治体によっては、日中の気温が高い時間帯に活動を禁止するなど、夏休み中の部活動に制限を加えているところもあるようだが、 わが子が通う中学からは何も指示が伝わってきていない。
これまでの常識が通用しない事態であるとの認識をもって、この危険な夏を無事乗りきれるよう、どうか手段を講じていただきたい。
いつ学校に電話をしようかと、こちらは臨戦態勢である。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 クリックよろしく♪

|
|

« 雨を泳ぐ夢 | トップページ | 青春だもの、完全燃焼は美しい »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

育児」カテゴリの記事

コメント

新潟に住む孫の小学校も冷房設備はないそうです。
それぞれの地域の状況によって設置率が違うのですね。
地球温暖化が続くとしたら、実情に合うようにして欲しいですね。
もしかしたら、単に今は急な気温上昇に間に合っていないだけかもしれないけれど。。。

投稿: お黒ちゃん | 2018年7月25日 (水) 21時55分

お黒さま、こんにちは。
まったく、酷暑と言われるこの暑さの中、
空調の効いた教室で勉強できるところもあれば
勉強どころではない暑さに喘いでいるところも
あるなんて!
自治体の財政状況によって、耐震工事を優先せ
ざるを得ない事情などもあるようですが、
子どもたちの命を守るために空調設備も必須で
すね。
お孫さんのいらっしゃる新潟県はかなり設置率
が低いですね。
こちらの地域は、全県での設置率は高い方です
が、市内の学校は全く設置されておらず、
地域ごとの格差の大きさをひしひしと感じてお
ります。
今後検討されていくのでしょうが、次男の在学
期間中には間に合わないんだろうなぁsad

投稿: さぼてんの花 | 2018年7月27日 (金) 14時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537202/66977454

この記事へのトラックバック一覧です: 危険な夏:

« 雨を泳ぐ夢 | トップページ | 青春だもの、完全燃焼は美しい »