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2017年3月

卒業

卒業式は自分でも意外なほどあっさりしたものだった。
先日来、万感胸に迫る思いで準備してきた、次男の小学校卒業であるのに。

時間の余裕がなかったのもいけなかった。
朝、いつもの登校時間に子どもを支度させて送り出したあと、
バタバタとキッチンを片付け、自分も身支度。
思ったより手間取り、予定していた時刻より15分遅れて家を出た。
しかも、久しぶりに履いたハイヒールでは思うように歩けない。
会場に到着したときにはすでに保護者席の8割がたは埋まっていて、ビデオ撮影するのにいい席を選ぶどころではなかった。
なんとか席を確保し、多少の緊張、そしてどこかそわそわ落ち着かない気持ちのまま、開式のときを待つ。
やがて、在校生や来賓も入場、着席。
いよいよ、卒業生の入場だ。
保護者席の隙間から、カメラで子どもたちを追う。
おぉ、わが子の姿、発見!
スーツの上着はへたにサイズを直すことをやめ、あえて大きいまま着せた。
やっぱり少し大きいけど、でも、うん、いいよ!似合ってる。
なかなか、男前だわよ~ と親ばかカメラマンは心の中で叫ぶ。
しかし、それも束の間、愛しいわが子は集団の中にすっぽり隠れ、見えなくなった。
はっきり言って、入場と退場、卒業証書授与のとき以外は、わが子の姿はチラとも見えない。
あぁ、これって背の順じゃないのよね…

それでも、母はめげない。
国歌に続き校歌斉唱、卒業の歌のときも、カメラを回す。
姿は見えなくても、この集団の中にかわいいわが子がいると思うだけで、その空間すべてが愛おしい。
画面には映らない子どもたち一人一人の存在も、間違いなくこの場を構成している大事な要員。
その全員によって式場のこの空気も作り出されている。
その空気を含め、今この時にここで行われていることを映像として留めるために、なおもカメラを構え続けていると、不意に、
こうやってわが子の姿をカメラで追い回すこともこれからはなくなっていくのだろうという、また別の感慨に私はとらわれるのだった。
子どもが成長し親の手を離れていくにつれ、カメラの出番は確実に減っていく。
そんなことを考えて、目は式典に向けられていながらも、私の心はどこか遠くの異次元空間を彷徨い始めた。

式のあと、小学校最後の学級活動が終わり、子どもたちが校庭に姿を現した。
みんな記念の写真を撮り合ったり、泣いたり笑ったり、賑やかである。
そこここで繰り広げられる感動シーンの間を縫って、わが子を探す。
いた。
笑顔を向けるが、あらら? なぜかご機嫌ナナメ。
それもかなりの傾斜をつけたナナメである。
理由はわからないが、ぶすっとしてすこぶる感じが悪い。
なに?なんなの?この晴れの日にそれ?どうして?
合点がいかないけれど、その場でそれを糺して叱りつけても仕方がない。
あぁもう!と思いながらも、お世話になった担任の先生に挨拶だけはさせ、写真撮影もそこそこに学校をあとにする私たち親子。
そんなこんなで、結局子どもの卒業式という慶事に今一つ気持ちが浸りきれないまま、
私はその大事な一日を過ごしてしまったのである。

帰宅しても、次男の機嫌は直らなかった。
なにかあったのか?と夫に訊かれても、私だって皆目分からない。
そっとしておくしかないわね と私が言い、そうだな と夫も言う。
せっかくの卒業式なのに…という言葉が口から出そうになるのを飲み込んで、素知らぬふうで夕食の準備を始めた。
ところが、振り向くと、いつからそこにいたのか、ダイニングに次男がいる。
次男がいつものように、いや、いつもに増して機嫌のよさを漂わせている。
え?と思い、もう一度顔を見ると…
笑ってる!coldsweats02
あれ~???
原因不明の不機嫌は、いつの間にか予告なく、ケロリと直ってしまっていた。
鼻歌さえ口ずさむその様子は、先ほどまでとは別人のよう。
それを見てほっとしたのも事実だが、あまりと言えばあまりの身勝手さに呆れてしまう。
ほんとにもう、どうなっているんだろう。

その謎は翌日になって解明された。
次男とのやり取りの中で分かったのだが、大切な友達と仲直りをしたんだそうだ。
実は次男、一年生のときからの仲良し四人組のうちの一人と、ずいぶん長いこと仲違いをしていたのだ。
5年生の冬からだから、もうまる一年余りになる。
ほかの二人よりも頻繁に行動を共にし、一番の友達と思っていたその子。ケンちゃん。
あることがきっかけで猛烈に怒った次男は、そのときからケンちゃんとの一切の付き合いを断った。
それを知ったケンちゃんも、決して自分からは謝らなかった。
冷戦状態のまま、二人は6年生に進級し、初めて同じクラスになった。
同じ教室で一年間、互いに口をきくこともなく過ごし、そして卒業の日を迎えた。
どうせそのうち、いつものように仲直りするんでしょ と軽く考えていた親たちの予想は完全に裏切られ、もう二人の関係が修復することはないのだと思われた。
それが。
いともあっさりと。
「ごめん」
「いいよ」
たったそれだけのLINEメッセージで、凍り付いた二人の関係はきれいにとけてしまったのだ。

そうなるならそうなるで、そんなに簡単なことならば、なぜもっと早くに仲直りできなかったのか。
でも、分かる。
仲がいいからこそ、言えないこと。
仲がいいからこそ、許せないこと。
あるよね、そういうこと。
精一杯張った意地を引っ込めるにも、時間がかかる。
思っていることを実行に移すにも、きっかけが必要で、
なにより勇気がいる。

晴れ晴れとした次男の表情に、私の目にもようやく涙がにじむ。
次男は今、小学校時代最後の課題をやり遂げ、新しい門出を迎えた。
長い長い冬は去って、春がやって来たのだ。

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子どもとスマホ

あれだけ愛用していた任天堂3DSもこの頃はそっちのけの次男、このひと月はスマホに夢中である。
なるほど、夕方5時台から6時台、それに寝る前の9時台はLINEの通知も鳴りっぱなし。
とても楽しそうである。

学校の友達とは学校で毎日顔を合わせているにもかかわらず、
帰って来てからもまだ話がしたいわけ?
そんなに内容のある会話が飛び交っているとも思えないけど?
と思わないでもないのであるが、LINEで話すということが楽しいのも少し分かる。
学校というリアル社会の中での関わりとはまた別の次元でつながるというのは、特別な感じがしてワクワクするし、親密さも増す。
表向きの付き合いと、ネットでの付き合いと、その二つは一致するようで完全には一致せず、微妙な二重構造になっている。
ま、そこでのやりとりが健全なものであるならば、そう目くじらを立てることでもない。
しかし、今どきの子どもは、交友関係も複雑なんだなぁと改めて思う。

次男を見ている限り、よくトラブルとして持ち上がってくるような問題は今のところない。
いつLINEが入るか気が気じゃなくてスマホを肌身離さず持ち歩くということは全くないし、既読スルーだってしてもされても問題ナシ。
チェーンメールが回ってきても、なにが面白いわけ?と平然と無視している。
友達登録してきた子がいても、もったいつけてこちらは友達に登録しなかったりするのには、角が立つのではないかと親の方が心配したが、
でも、卒業が目前に迫ってきた今は、友達登録してくれた子はみんな、友達に登録したようだ。やっぱ、そうよね、ふつう。
スマホを持つまではこうした交流の輪に加わることはなかったし、
それが絶対に必要なものかと言われればそうではないのだと思う。
ただ、スマホを持っていないからと言って学校で一人ぼっちになるわけじゃないとしても、やっぱり子どもたちにとってスマホが交友関係の中で大きなウェイトを占めてくる事実は、どうにも動かしがたいんだと思う。
LINEアプリ一つをとっても、良い方に機能すればこれほど楽しいアプリはないと思うが、
場合によってはそれに縛られ、悩む子どもも出てくるのは想像に難くない。
LINEが当事者以外の他人の目に触れにくく、いじめの温床になりやすいということも、周囲の大人がよく認識する必要は大いにある。

しかし、思い返せば去年の今ごろは友人関係に悩んだ時期で、人間不信に陥ったかのようにネガティブな発言ばかりしていた次男だった。
一時はとても心配していたが、今は新たに友と信頼を築き、毎日充実しているようだ。
そんな姿を見るにつけ、こちらも安堵し、嬉しい気持ちでいっぱいになる。
LINEでもなんでも、やりなさいよって気持ちになってしまうのだ。

わが家の場合、次男がLINEを始めてから私が目くじらを立てたことは、実は別のところにあった。
スタンプである。
初めのうちは、あちこちの公式アカウントを友達に登録したりして、無料スタンプを集めていた次男であるが、有料スタンプを買いたいと言いだした。
LINEアプリで購入できるものはオンライン上でコインを購入しての決済方法しか選べないようだが、LINEストアというサイトからならコンビニなどで販売されているプリペイドカードが使えるので、現金での購入が可能だ。
持っているおこづかいでカードを買ってくるというので、好きなようにさせた私。
どうせ1000円分のカードを購入するんだろうと高を括っていたのだが、なにを思ったか次男、3000円のカードを買ってきたのである!

カードに付されたPINコードを登録すると、LINEの自分のアカウントに購入金額がチャージされ、スタンプや着せ替えを買うことができるようになる。
そのチャージをしようとする過程で安心アクセスにブロックされ、次男が私に助けを求めてきたことで、それは発覚した。
「ちょっと!スタンプ買うだけに3000円て、なに考えてんの!!」
スタンプひとつの価格は、120円か、高くて240円である。
「1000円のカードが売り切れてたとか?」
「売ってました」
「じゃあ、3000円もスタンプ買おうと思ったの?」
「・・・ごめんなさい(>_<)sweat01
この子の金銭感覚、どうなっているんだろうという心配よりも
怒りが心頭に発する私。
「とにかく、このカードは一旦預かります。安心アクセスはそんなに簡単に解除できません!」

因みに、安心アクセスというのはauの子ども向けフィルタリングサービスで、つい最近、あんしんフィルターという名称に変わった。
このアプリを子どものスマホに設定しておけば、年齢に応じたフィルタリングをしてくれる。
電話の発着信の制限や、使用時間の制限、利用できるアプリの制限や有害サイトのブロックまで、一通り網羅しているので、親としてはかなり安心できる。
年齢別の標準の設定から、個別に特定のアプリを制限したり、あるいは許可に変更したりすることもできるので、使い勝手はいいと思う。
次男の場合はちょっとフライングで中学生の設定にしたが、ゲームや動画視聴(*)、支払いの発生することなどはすべて制限される。*訂正します。制限がかかるのはアプリのため、例えばYouTubeアプリは使用できなくても、ブラウザから動画を再生はできてしまいます(^^;)
ゲームの場合、ダウンロードはできるので取りあえず入れてみても、いざプレイしようとすると制限がかかるため、その度に私に「お願い~」とすり寄ってくることになる。
以前から私のタブレットでやっていたモンストと、ツムツムだけは、許可にしてあげた。
子どもにスマホを持たせるなら、フィルタリングは必須だ。
今回も、この安心アクセスがいい仕事をしてくれたおかげで、
次男の企て(?)は未遂に終わったのである。

とは言っても、どうするかな~、この3000円…
カードのPINコードの部分も削ってしまっているし、返品はできない。
かと言って、そのまま破棄っていうのももったいない!
それをそのまま次男に使わせるっていうのも示しがつかないし。
で、ひねり出した解決策は、私のLINEにチャージするということ。
そして、必要に応じて私がスタンプを購入し、次男にプレゼントする。
LINEスタンプは自分で購入するほか、友達になっているだれかに贈ることもできるのだ。
それなら、安心アクセスの設定を変えずに、次男もほしいスタンプを入手できる。
も~、私って天才!happy02
こうして、この一件は落着し、すべて丸く治まった。
おかげで私も、キジオに酷似した猫のスタンプを購入し、
楽しいLINEライフを送っている。

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