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財布

主婦のほかのみなさんはどうしていらっしゃるのだろう。
私はいつも財布を二つ持っている。
一つはプライベートな財布で、いわゆる自分のお小遣いを入れている。
もう一つは主婦の財布。
生活費を入れておき、毎日の食料品や生活雑貨などの買い物はこちらから支払うようになっている。
財布を二つ持ち歩くのは荷物が増える煩わしさがあるものの、
家計を管理する上ではたいへん明瞭でいい。
次の給料日までの日数を財布の中身でまかなうのだと思えば、
財布のひもの引き締め具合も自然に分かる。
また、生活費専用の財布があると便利なのは、夫に買い物を頼むとき。
お財布をポンと渡し、「パンと牛乳、買って来てheart01」と言えばよい。
heart01のマークと、あれこれ買い過ぎないでね の一言を忘れてはいけないのであるけれども。
わが家ではそういう場面はけっこう多いので、
以前は赤い財布を使っていたが、夫が持ち歩くときのことを考慮して、最近では男物の財布に替えた。
よく行くお店のポイントカードも財布に入っているので、誰が買い物したとしてもポイントを付けてもらうことができ、たいへん効率的でもある。
我ながら、いいシステムだと自負している。

さて、今日の本題は実はそちらではなく、プライベートの財布のほう。
私個人のお財布は黒い革のNina Ricci。
6年は使っている。
使い始めてからは6年だが、この財布はさらにその数年前にいただいた、義父からのプレゼントである。
文具や小物が好きな人で、物選びには独特のこだわりを持っていた。
きっと店頭で一つ一つ手に取り、吟味し、その黒の財布を選んでくれたのだと思うと、嬉しくて、ありがたくて、すぐに使うことのできなかった私。
義父がこの世を去ってから、いつもバッグに入れて持ち歩くことにしたが、今思うと、それも少し申し訳ない。
義父が存命の間にこそ、使えばよかったんじゃないだろうか。

その財布の札入れ部分は中に仕切りがあって、入れるところが二つに分かれている。
その一方にはずっと、五千円札が一枚入れてあるのだが、
これは義父が財布を私にくれたときに入れてくれたものである。
「空の財布を人に贈るものじゃない」というのが義父の持論だった。
でもふつう、入れるとしても五円玉とかだよ?
同じ五でも、いいのかなーcoldsweats01 とは思ったけれど、
義父の気持ちに素直に甘えることにした。
だけど、やっぱりありがたすぎて、その五千円は今も使えない。
多分これからも、天と地がひっくり返るようなことでも起きない限り、そのお札はその財布に入れたまま、お守りのように持ち歩くことになるのだろうと思う。

革が馴染んで形も少し膨らんだその財布をじっと見ていると、
義父の声がよみがえる。
もとは赤の他人が突然家族になり、同じ家で暮らす中には
いろいろなことがあり、決していいことばかりではなかった。
それでも、今、私の胸に去来する思いは、暖かな色彩を帯びている。
義父にとって最後の入院となった日の朝、私の手を取って何度も
「ありがとう」をくり返したその声を、私は生涯忘れない。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

さぼてんの花さん、こんにちは。
コップの成功!おめでとうございます♪
そして 色々な思いを経て家族になっていくという
素敵な思い出~♪
義母の事を思い出しました。
私も全く良い嫁ではなかったけど
最後の義母の言葉は「あんたなんか大っ嫌い」だったけど
恨んでいないし 大事な思い出です。
お義母様も居なくなったら(不謹慎でごめんなさい)
あ~良い思い出だ~。と思うんでしょうね~。
お義父様ことと同じですよ。
・・・ところでお財布わけは 良いですね。
私はなかなかうまく経理が出来てなくて
毎回 あわわわしています(XX)
ためしてみます♪ 

投稿: | 2016年10月22日 (土) 11時37分

舞さん、こんにちは(^^)
ずーっと前ですけど、私がお嫁に来て何年目だったかなぁ、
近くに住むおばあちゃまが言ってくれたんです。
いいお嫁さんになろうなんてしなくていいのよって。
それですごく気持ちが楽になったのを覚えています。
長続きしなくちゃ意味ないですしね!

そうですね、義母がいなくなったら。(不謹慎問題なし!)
いい思い出なんて、ひとつもないけど~笑
笑い話にはなるかなぁ。
なるといいなと思いますconfident

お財布の使い分けはオススメですよ~
額が大きいと後半心配なので、
まずは一週間分を財布に入れておくと、
ある程度計画的に使えて安心です。
ま、なかなか計画通りにいかないんですけどぉ~coldsweats01

投稿: さぼてんの花 | 2016年10月22日 (土) 14時31分

さぼてんの花さん、こんにちはnote
お財布の使い分け、いいアイディアですね!
我が家は夫と共働き、生活費は双方が入れて、
それぞれが必要なものは自分で買って・・といった感じなので、
なんとなくどんぶり勘定になってしまいがちなのですがsweat01
工夫を取り入れて「財布のひも」を引き締めたいと思います。
お義父さまのお財布の思い出、心が温かくなりましたshine

投稿: hanano | 2016年10月22日 (土) 16時58分

hananoさん、こんばんは(^^)
余裕があればどんぶりでも構わないんですけどね~!(笑)
状況が許さないのと、
つい浪費しがちな自分を戒めるためにも、
出費の枠はきっちりしとこうかな と。
実は自分のお小遣いからの家計への出費を防ぐためだったり?

義父の生前は深く考えなかったことも、亡くなってからのほうがあれこれ思うことが多くなりました。

投稿: さぼてんの花 | 2016年10月23日 (日) 23時10分

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