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テレビの思い出

私という人間は根っからものぐさにできているのか、
テレビのチャンネルを自分で合わせるということをあまりしない。
かと言って、テレビを見ないというわけでもなく、
たいていは家族の誰かが見始めた番組を一緒になって見ているのであって、それでほぼ満足している。
夫や子どもが自分の見たい番組をそれぞれ事前にチェックして、
場合によっちゃ録画予約などしているのを見ると、
みんなマメなのねぇ と感心するほどである。
どっちかっていうと、それが普通なんだろうか。
ま、なんにせよ、周囲のマメな人間のおかげで、
このものぐさ花子もそれなりに、テレビの一般視聴者として、充実した日々を送らせてもらっている。

思えば私のこの習性は、物心ついた頃から同じだった。
子どものころ、私の記憶では、四つ年上の兄がチャンネルの管理をしていた。
兄が幼稚園や小学校に行っている間はどうしていたんだろう?
当時大好きだったロンパールームを一人で見て、
一緒にでんぐり返しをしたり、コップに牛乳を入れてもらって飲んだり、「鏡よ鏡よ鏡さん」とみどり先生が魔法の手鏡を覗き込むコーナーではいつ自分の名前が呼ばれるかとドキドキしていたことなどはうっすら覚えているけれど、
兄がいるときはいつも、私はテレビの前に座ってさえいれば
いつでも大好きな子ども番組を逃すことなく見られたのである。

まだテレビが一家に一台という時代、兄が見せてくれる番組は、『ひみつのアッコちゃん』や『サリーちゃん』などの女の子向けのものも網羅されていて、そこには幼い妹への兄としての配慮があったのかどうなのか、単に自分も見ていただけなのかもしれないが、
私の方は、兄と一緒に見る番組はどれも本当に面白かった。
『ゲゲゲの鬼太郎』に『巨人の星』とか、『チキチキマシン猛レース』や『ぴゅんぴゅん丸』、『いなかっぺ大将』、『ハクション大魔王』、『アンデルセン物語』、『ムーミン』、『オバケのQ太郎』、『天才バカボン』、『ふしぎなメルモ』、『デビルマン』、『ど根性ガエル』、『マジンガーZ』…
数え上げればきりがない。
大好きだったケンちゃんシリーズも、就学を控えた時期に見た『カリキュラマシーン』も、今となっては本当に思い出深い。
しかし、私の幼少期の思い出の中で最も中心に来るものは、
なんといっても、ウルトラマンと仮面ライダーだったのだ。

私が4歳になり、幼稚園に通うようになったある日、
園に持って行くためのお弁当箱を買いに行った。
当時、子どものお弁当箱といえば、シンプルな小判型のアルミ製。
そのフタの表面には子どもの好みそうな絵がついているのは今と同じだ。
家族で買い物に行ったそのとき、私が見つけてしまったのは、
仮面ライダーのお弁当箱!
おそらくその売り場には、女の子向けキャラクターのついたものもあったに違いないのだが、
大好きなヒーローに心を鷲掴みにされた4歳のオトメの目には
もうほかのものなど映らない。
絶対、これにする!と言って譲らない私に、父も母も半ばあきれ、
じゃあ、それにしましょう と、私の願いを叶えてくれたのだった。

そして、いよいよ、私が仮面ライダーの付いたお弁当を携え、
登園する日がやってきた。
昼になり、おともだちもみんなそれぞれに家から持ってきたお弁当を広げる。
私だって、どうよ!
なんたって、仮面ライダーなんだからねヽ(^o^)丿
だれにともなく、自慢げにお弁当箱を見せつける。
すると、周囲から思ってもみない反応が返ってきた。
「えー、こいつ、おんなのくせに仮面ライダーだ!」と言う男子。
この一言で、幼い私は天から地へと落とされた。

もうこんなお弁当箱、持って行かない!
そう言って、家に帰るなり泣く私。
子どもだったとはいえ、我ながら勝手なものである。
そのとき両親は、
どうしてもこれにするって自分が言ったんでしょ!
と、わがまま娘を責めたりはしなかった。
そして、こういうときにこそ、力を発揮するのが父だった。
よし、パパに任せろ!とその弁当箱を預かり、
見事生まれ変わらせてくれたのだ。

その工程についての記憶はあやふやなのだが、
まず父は、紙やすりかなんかを使い、仮面ライダーの絵を消した。
絵が消えてまっさらになったフタに、
雑誌からこれも当時私が好きだったアニメのみなしごハッチの絵を切り抜いて貼り、さらにそのイラストの全面を覆うように透明な接着剤でコーティングを施した。
そのまま完全に乾かせば耐水性もあり、洗ってもイラストが剥がれてくることはなかった。
仮面ライダーの絵は短命に終わったが、
このハッチのお弁当箱を私はその後長いこと大切に使うことになったのだった。

花のみなしごハッチは世界中でただ一つだよ!
そう言われてご満悦だった無邪気な自分を思い出す。
あのハッチのお弁当箱、使わなくなってからどうしたんだっけ?と、遠い昔に思いを馳せているとき、ふと気付いた。
あれって、まさか今で言うデコパージュなんじゃ?
私がよくお邪魔するブログで、
お教室で生徒さんを教えていらっしゃるデコパージュの先生がいつも素敵な作品を紹介されている。タッタさん、あなたのことですよ~💛
その作品ときたら、どれもキラキラして私の目には眩しいようなお洒落なものばかりで、いつも私は目の保養をさせてもらっているのだ。
それと同じ手法を、40年以上も前に父がやっていたなんて!
いや~、ほんとにびっくりぽんだ。
まぁ、あのみなしごハッチはうんと地味ではあったけれども、すごいぞ、わが父!(笑)

そんなこんなで、テレビ番組をめぐる私の回想は、意外な方向に行き着いた。
父はデコパージュを知っているんだろうか。
今度、じかに訊いて確かめてみたい。

*追記*
 タッタさんのブログ「デコエッグ」へのリンクはこちらをクリック!

 

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コメント

激しく共感です。列挙されてるTVアニメ、全部観てました。tveye

投稿: 猫畑 | 2016年1月12日 (火) 21時51分

いやもう、私こそびっくりぽんです。
私がさぼてんの花さんのブログに登場するなんて・・
(ちがう。そこじゃないcoldsweats01いや、それもだが・・)
お父様、それは紛れもなくデコパージュですね。
写真の現像だけではなくてお弁当箱もデコパージュ?・・
ほんとに素敵なお父様lovely
ちょっとお話したいですわ。

投稿: タッタ | 2016年1月13日 (水) 00時16分

猫畑さん、さすがのテレビっ子世代!(笑)
っていうか、まだまだありましたよね。
ここに挙げきれないくらい。
あのころの番組って、
なんでしょう、
今とは違う魅力にあふれてましたよね~confident

投稿: さぼてんの花 | 2016年1月13日 (水) 10時53分

タッタさん、お越しをお待ちしていました~!happy02
お弁当箱のことに思い当ったら、タッタさんにどうしても聞いてほしくなっちゃって(笑)
ブログへのリンク、追記で貼らせていただきました。
てか、なんで最初にそうしなかったのかしら^^;
今回の、お正月の羽子板もとても素敵でした。
同じデコパージュとはいえ、父のはタッタさんの足元にも及ばない出来ですが、
それでもあの、お洒落なものとは無縁の父が…と思うと
驚きを通り越して笑いが出ます。
あー、ほんとにほんとに、びっくりぽんでした。

投稿: さぼてんの花 | 2016年1月13日 (水) 11時03分

素敵なお父様っ!!
感動しちゃいましたよ いいお父さんだなぁ~
そして実際にそんな子どもにとっては魔法のようなことが
できちゃうのもすごい!
それから妹の観たいだろうものを考えてあげられるお兄さんも素敵!
うちは3つ上の兄といつもチャンネル争いをしてケンカしてましたよsad
ちなみに私は仮面ライダーの靴を履いていました(笑)
そして私、さぼてんの花さんのあげた番組ドンピシャ世代(゚m゚*)

投稿: ところん | 2016年1月13日 (水) 16時21分

ところんさん、おぉわが友よ!happy02
仮面ライダーの靴を履いてるところんさんと
もしそのころ会っていたら、
も~う私、うらやましくて大変だったろうなぁ(笑)

そして、うちの家族。
お褒めいただいて、ありがとうございます。
私が父や兄が素敵と思ったことは全くない(断言)んですが、
でも、そうですねぇ、
チャンネル争いはなかったですねぇ。
私がテレビ番組に関しては極端になんでもいい人なので、
かえって周囲が気を使ってくれたんでしょうか。
人間の集団って、自然にバランスをとろうとするものなんですよ。きっと。(笑)

投稿: さぼてんの花 | 2016年1月15日 (金) 15時07分

写真を自分で自宅で現像しちゃうお父様にも驚きましたが、
お弁当箱まで!!

すごいなあ、多分うちの親や私も、自分で選んだのだから、
使いなさいと、聞く耳持たずだと思います。

優しい方ですね〜

アイデアと、器用さもすばらしい。

デコパージュって、こういう技法のことなんですね。
洗っても大丈夫なんですね〜
みなしごハッチ、私も好きでしたhappy01

投稿: クー | 2016年1月16日 (土) 01時43分

クーさんもみなしごハッチが?
うっわ~、仲間!happy02
私もかなりどっぷり浸ってました。
というわりに、今はストーリーのほとんどを忘れちゃってますけど(;;;´Д`)ゝ
なんか、かわいそうなお話でしたよねぇ…

いや、お恥ずかしい。
お弁当箱の一件は、自分でもよく叱られなかったものだと思います。
ぎゃんぎゃん泣いてる上に叱っても、どうにもならないっていうレベルだったのかも(^-^;
そして、そうですね、確かに父は器用な人で、
壊れたものを直したりするのも好きなんですよ。
なんでも直しちゃうんで、
いつも新しいもの買ってもらう機会を逸して、
うらめしいようなこともありましたっけ…(笑)
でも、あれがデコパージュだったなんて、
今になってビックリ!

投稿: さぼてんの花 | 2016年1月16日 (土) 21時17分

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