« たかが猫 されど猫 | トップページ | だいこんの季節 »

戦慄!恐怖のハリガネムシを私は見た

こうして記事に書けるようになるまで、3週間ほどの時を要した。
みなさんはご存じだろうか。
ハリガネムシという生き物を。

ムシという名前だけですでにいや~な予感がしているという方は、
この先を読まないで、どうかスルーしていただきたい。
それでも私はこの衝撃を文章に綴らずにはいられないのであり、
そのことを先におことわりしておく。

      danger  danger  danger  danger  danger  danger  danger

あの日、私と夫はなにげなく玄関から庭先へ出た。
そこで不思議なものを見たのである。
なんというか、細い、ひものようなもの。
それが地面に落ちている。
どこが不思議かというと、そのひものようなものが動くのだ!
まるで何かに操られているかのように、
のたのたくねくねと、不可解な動きを続けている。
それを見た私と夫の第一声はそろって「これ、なに?」
体の芯から生理的嫌悪感が沸き起こり、みるみるうちにそれは恐怖の色に染まっていった。
生き物なの?
こんなの見たことないよー
もしかして、ミミズ?
いーやいやいやいや!
ミミズにしちゃ、長すぎるし細すぎる。
怖いもの見たさも手伝って、正体を見極めようと恐る恐る近づいて見るが、見れば見るほど気持ちが悪い。
まっすぐ伸ばせば30~40センチはありそうな謎の生命体を前に、パニックに陥る私たち。
「少し前に通ったときにはなかったぞ」と夫。
じゃ、なんでここに?
いつ!どこから来たの!?
分からない~
うぎゃーsign03
あまりの怖さに頭が爆発する前に、早くどこかへ持ってってー!と私が叫び、
夫がそれをちりとりに乗せてできる限り離れたところへ捨てに行ってくれた。
あぁ見つけたのが一人のときじゃなくて本当によかった…

あれはいったいなんだったんだろうね?
土の中にいるという線虫っていうやつかしら?
と二人で話しているところへ、次男(小5)がやって来て言う。
「ぼくそれ知ってるよ。ハリガネムシだよ。」
え、そうなの?初めて聞いた。
「ハリガネムシはね、カマキリのおなかに寄生するんだよ」
寄生というなにやら禍々しい言葉の響きに私が一瞬ひるんだとき、夫が声を上げる。
「そういえば、カマキリ、いたよ!」
私は気が付かなかったのだが、
うねうねとのたうち回る奇怪な物体に気付く前に、夫はカマキリを見つけ、ぽいっとそこらに投げたのだそう。
間違いない!
あれはハリガネムシだったんだ!!

正体不明の謎の生命体は、名前のあるちゃんとした生物だということが分かって、怖さの度合いは2割ほど減ったけれども、依然として気味が悪いことには変わりない。
寄生虫が玄関を出て2メートルくらいのところにいたなんて、
思い出しただけでゾッとする。
それにしても、ハリガネムシだなんて、次男はよく知っていたものだ。
なんで知ってるの?と訊けば、
「学校でも見たもん。U太がハサミでちょん切ってた!」
おそるべし、U太くん…
そのハサミ、よく洗ったのかしら などと余計な心配をしつつ、
この話題はもうよそうと思うのだった。
私には刺激が強すぎるわ。

しかし、あのとき受けた衝撃は大きく、その後外に出るたびに目がハリガネムシを探してしまう。
いないと分かってほっとするのだが、あのときのハリガネムシはどうなったんだろう。
1匹いるということは実はもっとたくさんいるのかもしれない。
そんな風に考え出すと、もう怖さが止まらない。
こうなったら逆療法だわ と私はハリガネムシについて調べることにした。
逃げていてもその怖さから逃れられない以上、正面から立ち向かうのだ。

Wikipediaによれば、ハリガネムシは
ミミズや線虫などと違って体に伸縮性がなく、のたうち回るような特徴的な動き方をする。(略)表面はクチクラで覆われていて体節はない。また、クチクラで覆われているため乾燥すると針金のように硬くなることからこの名がついた。
クチクラというのは、すなわちキューティクル、日本語では角皮と言われ、丈夫な膜なのだそうだ。
カマキリやバッタ、カマドウマ、ゴミムシ、コオロギ等といった昆虫類の寄生虫として知られている。
やっぱり!
次男の言っていたとおりだった。
疑っていたわけではないけれど、小学生の知識もなかなかのものだわね と妙に感心してしまう。
未解明なところも多い生物らしいのだが、基本的には水生生物であり、生活史の一部を昆虫類に寄生して過ごす とある。
以下に、その生活史の記述をかいつまんで記してみよう。
まず、ハリガネムシのオスとメスが水中で出会い繁殖する。
メスが産んだ卵塊から1、2か月かけて孵化した幼生は、カゲロウやユスリカなどの水生昆虫に取り込まれ、腹の中で「シスト」という休眠状態に入る。
水生昆虫が羽化して陸に飛び、カマキリやカマドウマなどの陸上生物に捕食されると寄生し、2~3か月の間に腹の中で成長する。
成虫になったハリガネムシは、宿主の脳にある種のタンパク質を注入し、宿主を操作して水に飛び込ませ、宿主の尻から出る。
そして水中で生活し、交尾・産卵… というサイクルが再び始まるのである。
なんと!
こんなことをだれがどうやって考えたのか?というほど、手の込んだやり方だ。
しかも、宿主を操作して水に飛び込ませ?
ゾゾ~っshock
ハリガネムシってどんだけ恐ろしい生き物なのだろう。

さらに驚くべき事実は、このハリガネムシの一連の動きは、
生態系を維持するために大切な役割を担っているということである。
神戸大学大学院准教授の佐藤拓哉氏の調査によると、渓流のサケ科の魚が年間に得る総エネルギー量の約6割を、秋の3か月程度に川に飛び込む寄生されたカマドウマで占めているらしいのだ。
そのカマドウマを飛び込ませないようにして実験すると、魚はもともと水に住む水生昆虫を食べるようになり、その結果、水生昆虫のエサである藻が増え、落ち葉の分解が遅れ、生態系が変わってしまうのだそうだ。
佐藤氏によって、ハリガネムシのような寄生虫が森林と河川の生態系に影響を及ぼしていることが世界で初めて実証されたという
    *関心のある方はこちらに詳しい記事があります。ご参考までに。
     ナショナルジオグラフィック日本版/研究室に行ってみた・神戸大学群集生態学 第1回~第6回


自然界というのは、かくも冷酷で非情な、しかしこの上なく合理的にできているものなのか。
人智をはるか超えたところで、壮大なスケールの物語が繰り広げられている。
我が家の庭先で起きているのかもしれない真実を、私は知る由もない。
やはりきっとこの先も知らない方がいいのだろうと確信したのだった。

 

ブログランキングに参加しています
クリックよろしく♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

|
|

« たかが猫 されど猫 | トップページ | だいこんの季節 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんにちは

とんでもないモノと出遭いましたね!
私も子供の頃、カマキリに寄生していたと記憶していますが、最近はもちろん見た事がありません。カマキリは庭先に住みついている様で、毎年の様見かけます。雌は交尾が合わると雄を食べてしまうそうで、秋に雄は見た事がありません。外来の松食い虫や植物は、身近の生態系を変えている現実を目の当たりにしています。

投稿: 岳 | 2015年11月16日 (月) 16時44分

シーズンなんでしょうか?
何がきっかけだったか忘れましたが、私もつい最近ハリガネムシの話を職場でしたところです。

そして、ハリガネムシだったかまた別の寄生虫だったかが、爪の間から人体に入り込むとかな話になって震え上がったのでした。

いや~
いろんな生き物がいて、それを研究している人がいるものですね。
生態系うんぬんでも、できれば自分とは出逢うことなく過ごしていきたいと思います。

投稿: クー | 2015年11月16日 (月) 20時42分

岳さん、こんにちは(^^)
そうでした。
カマキリのオスは食べられちゃうんですよねsweat01
卵を産むメスにとっては大事なたんぱく源。
だけど!自然の理って残酷~っshock
そして、秋にお腹をふくらませて水辺に近づくカマキリは
ハリガネムシに寄生されているんだそうですよ。
なんでうちにいたんでしょう?coldsweats01sweat01sweat01sweat01

人間がこの世のすべてを支配しているなんていう錯覚にとらわれがちですけど、とんでもない!
名前も知らないような生き物や植物、森羅万象が世界を作り上げているんですね。

投稿: さぼてんの花 | 2015年11月17日 (火) 13時28分

クーさん、こんにちは(^^)
ほんと、どんな道にもスペシャリストがいるって
すごいことですね。
同じ場所も、人間目線で見るのと、虫目線で見るのとでは、全く違った世界が見えてくるんでしょう。
不思議な感覚にとらわれます。
一見平和なうちの庭も、別次元ではなにかが進行している!?なんて考えていると、安心して暮らせないわ~っsweat01
なので、私の中の深層意識は、知らなかったことにしようとしているみたい(笑)

で、そうそう、爪の間から入るって話。
怖いですよね~shockshockshock
でも、安心してください!
Wikiには、それはないと記載されていましたwink

投稿: さぼてんの花 | 2015年11月17日 (火) 13時39分

ハリガネムシ?どんな?こわい。でも見たい・・ 
生まれて初めて知りました。
かまきりには会うけど、今までもしかして見過ごしていたのかなぁ・・
次男君はすごいね。そんなの学校で習うの?
それとも図鑑好きな秀才少年てことかな・・good
う~む。これからは目を凝らして庭を見てみようっとeye

投稿: タッタ | 2015年11月18日 (水) 10時56分

こんにちは。
考え方的にクリスチャンな私は・・・
(※母をくそばばぁは忘れてください(^-^; )
神様の作ったこの不思議な世界に無駄は1つもないと
思っています。
何とかというクモは
(忘れた。次男君助けて!)Σ(;・∀・)
孵化するまで卵を守り
生まれた子クモに自分の体を食べさせたり・・・
強い子どもしか生き残れない動物もいる。
本当に本当に残酷なようですがこれが命の大切さであり
自然界のサイクルならば
自然と命を大切に守っていきたいですね~。

投稿: | 2015年11月18日 (水) 18時58分

タッタさん、こんにちは(^^)
タッタさんたら意外にチャレンジャーですね(笑)
私なんてカマキリすらこわいのに・・・
でも、ハリガネムシに出会ってから、
カマキリもミミズもかわいく思えてきました。
我ながら勝手なものですねcoldsweats01
次男は図鑑少年では決してないんですけど
周りにだれか詳しい子がいたんでしょう。
どこからかいろいろ情報を仕入れてきます。

投稿: さぼてんの花 | 2015年11月19日 (木) 15時12分

舞さん、こんにちは(^^)
本当に、自然界の成り立ちはうまくできているんですね。
考えてみれば、私たちだってお肉やお魚を食べて生きているんだし、それが残酷!なんて言っていたら、生きられません。
自分が意識しないところで心臓は動いているし、自分の知らないところで世界は回っている。
そんな大いなる宇宙にいだかれて、私たち一人一人も生かされているんですねconfident

投稿: さぼてんの花 | 2015年11月19日 (木) 15時21分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537202/62681424

この記事へのトラックバック一覧です: 戦慄!恐怖のハリガネムシを私は見た:

« たかが猫 されど猫 | トップページ | だいこんの季節 »