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気になる言い方 (2)

前回の記事にも書きました、文化審議会の『敬語の指針』。
読んでみるとけっこう面白くて、ためになります。
なんとなく経験的に覚えてきて、あまり突き詰めて考えたことのなかった敬語の使い方を改めて解説されると、妙に納得がいくところもあって、スッキリします。
例えば、「お手紙」といった場合。
手紙は人から人へと向けられたものですよね。
仮にこの手紙が「先生からのお手紙」である場合、「お手紙」は先生を立てるべき相手と見なした尊敬語です。
また反対に、同じ「お手紙」でも、「先生へのお手紙」である場合には、動作の向かう先が立てるべき相手であることから謙譲語となります。
言われてみればそうですよね!
敬意を示す相手に属するものは、「お心」「おみ足」「お住まい」「貴社」などと名詞でも尊敬語はあります。
謙譲語の名詞は少ないですが、「粗品」「弊社」などの言い方がこれに当たり、また「お手紙」と同じように尊敬語にも謙譲語にもなりうる言葉には「ご説明」「ご案内」「ご連絡」「ご辞退」などがあります。
今まで、「お花が咲いた」「ご飯を炊く」などと言うときの花や飯の美化した言い方とごちゃまぜに捉えておりましたが、まさに目からウロコが落ちましたflair

この答申で大きな注目点は、敬語の分類が従来の3種類から5種類になったことです。
種類が増えたと聞けば難しくなったような印象を受けますが、新たな分類は従来の分類と対立するものではなく、同じ考え方に基づいたものです。
従来の「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つの区分のうち、謙譲語を「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ(丁重語)」に、丁寧語を「丁寧語」と「美化語」に分けたのが新しい分類です。
詳しくは文化庁のホームページで『敬語の指針』全文が見られますので、ご興味のある方はご覧ください。

新しい分類を見渡してみて、ややこしいと感じるのはやはり謙譲語ⅠとⅡです。
どう違うんじゃい!?と思いますよね(^^;)
謙譲語Ⅰに属する語は、「伺う」「申し上げる」など。
謙譲語Ⅱ(丁重語)に属するのは、「参る」「申す」など。
この二つの違いは、だれを立てるための敬語なのか ということです。
例を挙げますと、「先生のところに伺います。」という場合、謙譲語の「伺う」は動作の向かう先である先生を立てている表現です。
では、「先生のところに参ります。」の場合はどうでしょうか?
丁重語の「参る」は、話をしている相手に対する敬語表現です。
当の先生に対してこの発言をするのであれば、「伺います」も「参ります」も同じ意味になりますが、先生以外の第三者に言う場合は、話し手の敬意の方向が違ってくるのです。
まとめますと、動作の向かう先に対する敬語が「謙譲語」、話す相手に対する敬語が「丁重語」で、丁重語は立てるのにふさわしい「向かう先」があってもなくても使うことができます。

私の拙い説明、お分かりいただけたでしょうか?
分かりにくいですよね(^^;)
そこで、第二の目からウロコポイントですflair
原文から引用してご紹介します。
 謙譲語Ⅰは、「ます」を伴わずに使うこともできる。例えば、「明日先生のところに伺う(よ)。」などと、「先生」以外の人に述べることがある。
 一方、謙譲語Ⅱは、一般に「ます」を伴って使う。例えば、「明日先生のところに参る(よ)。」などと述べるのは不自然である。

どうです?
落ちたでしょう?ウロコsmile
分かりにくいことを簡単に識別できるこの手の法則に出合うと、テンションが上がりますよねupupup
あれ? 私だけ?(笑)
ま、そんなこと知っていても、日常生活で役立つことはあまりないですけどね~

そもそも、『敬語の指針』は、平成12年の国語審議会の答申『現代社会における敬意表現』の考え方を受け継いだものであり、その中で敬意表現について次のように定義しています。
 敬意表現とは、コミュニケーションにおいて、相互尊重の精神に基づき、相手や場面に配慮して使い分けている言葉遣いを意味する。それらは話し手が相手の人格や立場を尊重し、敬語や敬語以外の様々な表現から適切なものを自己表現として選択するものである。
ここに述べられているように、そのとき、その場面でどんな言葉を使うのかは、その人の自由な選択によるもので、そこにその人らしさが表れるのだと思います。
たとえ敬語を使わなくても、周囲の人への気遣いを表す言い方はいくらでもあります。
言葉に対する感覚は世代や性別によっても違いますし、借りてきた言葉ではなかなか思いは伝わらないものです。
自分らしい言葉を話すこと。
言葉は伝えるためのものだから、なにより、それがいちばんです。
それでもいつか、自分も洗練された言葉遣いが似合う人間になりたい。
そんなふうに思います。
だって、日常の何気ない場面でさらりと敬語を使いこなしている人を見ると、本当に素敵なんですものconfidentheart04
とはいえ、人生後半戦に入った今、急がないと理想の実現にはあまり時間がありませんわ~sweat01

 

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コメント

またまた、なるほど~と感心しながら読ませていただきました。
日常生活あまり役立つことがなくても、知識として知っているってだけでも違いますよね。
大事ですねぇ。
あたしは、そこらへん非常にあやふやなので、手紙を書く時など「あれ?この言葉の使い方あってる?へんかな?」って不安になって調べたりしていますcoldsweats01
あたしも洗練された言葉遣いが似合う人間になりたいなcoldsweats01
もうちょっと(だいぶ?)お勉強せねばcoldsweats01

投稿: ところん | 2014年11月23日 (日) 18時59分

ところんさん、こんばんは(^^)
私も、いざってときになってから、「あれ?これでいいんだっけ?」ということだらけです^^;
若いときには、まいっか!で済ませていたことも、そろそろちゃんと覚えておかないと!ってあせってしまいますsweat02
でも、まだまだ間に合う!
ね、そうですよね?
そうだと言って~!!(笑)

投稿: さぼてんの花 | 2014年11月23日 (日) 19時54分

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