不思議なお話(後篇)
(前回からのつづきです)
最近では、胎内記憶という言葉も広く知られるようになり、これをモチーフにした映画も作られています。
2010年には豪田トモ監督作品 『うまれる』、2013年には荻久保則男監督作品 『かみさまとのやくそく』が制作され、『かみさまとのやくそく』のほうは現在も、劇場公開中です。
残念ながら、上映中の映画館に足を運ぶこともできず、DVD化の予定もなしとのことで、観ることはかないそうにありません(涙)
テレビでオンエアしてくれないかしら。
テレビといえば、何年か前、『うまれる』が劇場で公開されたころかもしれませんが、
一度テレビの朝のニュース(だったかな?)で、胎内記憶の話題が流れたのをちらっと聞いたことがあり、「赤ちゃんがおなかに入る前の記憶」なんていう報道番組にそぐわない話題がどうして???と思ったことがありました。
同じころだと思いますが、NHKで胎内記憶の特集番組が放送されたそうです。
なにゆえ、この非現実的な空想物語がそれほど注目を集めているのでしょうか。
胎内記憶の第一人者、池川明先生もおっしゃっていますが、この胎内記憶というものは科学で立証することはできないわけで、医学的な見地からすると、胎児は無力で物事を感じ取る能力はないというのが定説になっています。
しかし、一方で現実の子育てに悩み、親子関係に問題が生じたときに、胎内記憶というものは特効薬になるのだそうです。
赤ちゃんはみんな自分で決めた親の元に、目的をもって生まれてくるという考えを持つことは、お母さん、そしてお父さんを変え、やがて家族のあり方に変化をもたらします。
産科医である先生の立場からは、赤ちゃんの意思を尊重したよいお産がよい子育てにつながっていく、その実践をなさっているということのようです。
家族関係がより豊かになり、それぞれの人生に深みが増すのであれば、胎内記憶というものが真実かどうかということを突き詰めて考える必要もないのではないか、という先生のご意見には一理あると思います。
例えば、私の場合です。
息子が胎内記憶と思われることを語ったのはもうずっと前のことで、当時私はそんな言葉も知りませんでした。
最近になってこの言葉に出会い、息子が言っていたことを思い出したのです。
息子は3~4歳だったと思います。
ダイニングテーブルの隣り合わせの席に私と息子が座っていて、私はなにか書き物を、息子はおもちゃで一人遊びをしておりました。
そんないつものよくあるシチュエーションの中で、唐突に息子が言ったのです。
「あのとき・・・」
その声に私が顔を上げると、息子はこちらを見て確かめるように言いました。
「ほら、ぼくが病院でしんじゃった、あのときだよ!」
その言葉が私をどれほど驚かせたか、お分かりになりますか?
実は、息子を授かる前に、私のおなかに生まれることのなかった赤ちゃんがいたことがあったのです。
もちろん、そのことを息子が知るはずもありません。
心臓がドキリとして、息が止まるほどびっくりしました。
あんまりびっくりして、息子の話の続きを促すことを忘れ、はぐらかすような対応をとってしまったことが今になって悔やまれます。
なんでもっと突っ込んで聞かなかったんだろう・・・
そのときの息子が本当は何を言おうとしていたのか、全く違うことだったのかもしれませんが、今となっては確かめる術もありません。
でも、あまりにダイレクトなその表現に、私は今もほかの意味を見出すことができません。
そして、そのことがあって、私はほっとした気持ちになりました。
うまく言えませんが、心にわだかまっていたものが解けて、安らぎを得たような感じです。
それまで、生んであげられなかった子のことがずっと心に引っかかっていていましたが、
あのときの子はこの子だったんだ!
時期を間違えたのか、一度目はお空に戻ったけど、また私のところに来てくれたんだ!
そう思うと嬉しくて、息子が生まれて来てくれたことがとても幸せなことだとしみじみ思えます。
そんな風に思って子どもに接していくことが、きっと大切なんですよね。
本で読んだ胎内記憶の話によると、お空の上にいるときに兄弟になる約束をしてくる子どもたちもいるそうです。
うちの子たちもそうだったのかしら?
うちの息子たち、長男なら、オレが先に行ってるからおまえは後から来いよって次男に言ったたんだろうなぁ。
どっちが先に生まれるか折り合いがつかないと双子になるのかしら?
あ、仲が良すぎて一緒に生まれようってこともあるわよね。
とりとめのない空想の世界が広がります。
ありえないことと思いつつも、とても幸福な気分に満たされます。
子どもはお母さんを選んで生まれてくる。
胎内記憶というものを、あなたも信じてみませんか?
ブログランキングに参加しています
クリックよろしく♪
にほんブログ村
| 固定リンク
|
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 危険な夏(2018.07.24)
- 雨を泳ぐ夢(2018.07.12)
- いやなやつ ~The harmful teacher ~(2018.05.21)
- 年の初めの運試し(2018.01.03)
- 顔が命ではないけれど(2017.12.13)
コメント
それは驚いたでしょうね。



今読んでるだけですが、ドキッとしましたもん。
でも、同時にホッとされたお気持ちわかります。
ちゃんとまたさぼてんの花さんのところへきてくれたんですね
化学的にはとか、真実かどうかじゃないんですよね
選んできてくれたって考えたら幸せな気分になれますね。
頑張れそ
うちの息子も、やっぱり3歳くらいの時、
お腹の中で何してたの?って聞いたら、「でんぐりがえりしてた」って言ってました
投稿: ところん | 2014年5月 5日 (月) 18時10分
どれほどの驚きか、息子さんの話しをはぐらかしてしまったこと、息が止まるほどの思い、よくわかります。
後編、読み進めていくうちに、胸が熱くなりました


同じような経験を・・・そして半年後に新たな命を授かりました
息子は私を母に選んで、生まれてきたんだと思うと
嬉しく、愛おしい気持ちでいっぱいです。
今まで以上に大切に育てていきたいと思います
よいお話をありがとうございました❤
投稿: アロ~ハ | 2014年5月 5日 (月) 18時50分
こんばんは(^-^)
不思議なお話ですね~。
私の姪ッ子も三歳くらいの時、お母さんのおなかの中にいた時のこと覚えてる?と聞かれ、「チャプチャプ浮かんでたよ」と言ったそうです。
この前二歳の娘に同じ質問をしたところ、「覚えてるよ」と言いつつ具体的な話はせず、目が泳ぎっぱなしでした(笑)
胎内記憶は三歳を過ぎると忘れてしまうと言うので、息子さんはその時のことを覚えていないのでしょうか。
人間の脳はすべての出来事を記憶しているが思い出せないだけ、という話もあるので、息子さんの頭の奥底に、ずっと眠っているのかもしれませんね。
投稿: かんかん | 2014年5月 5日 (月) 21時35分
ところんさん、こんばんは(^^)
ほんとうにびっくりしたんですよ。
わけが分からないけど、でも、そうなんだーって思えました。
自分でも不思議ですが、だいたい命ってものがそもそも神秘な謎に包まれていますものね
もしこれが科学で証明されれば、親子げんかしたときに、
なによ!自分で選んで生まれてきたくせにー
って言えるんですけどねぇ…(笑)
息子くん、おなかの中でも元気いっぱいだったんでしょうね
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 5日 (月) 23時00分
アローハさん、こんばんは(^^)
こちらこそ、うれしいコメントをありがとうございます。
実は、今回の記事は書こうかどうしようか、とても迷ったんです。
でも思い切って書いてよかった
子育てって一言で言っても、みなさんそれぞれいろんな思いを抱えてやっていますよね。
子どもにとっても親にとってもハッピーな子育てができるように、お互いがんばりましょう!
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 5日 (月) 23時07分
かんかんさん、コメントありがとうございます(^^)
姪っ子さんも胎内記憶があるんですね!
胎内記憶を話すのは、言葉を覚えた3歳くらいが多いそうです。
その後忘れてしまうことも多いようで、うちの息子ももう忘れているんだろうなぁ…
中には大きくなっても覚えているケースもあるそうですが、どうでしょ?
覚えているならちゃんと聞いてみたいですが、今さらこっちから言い出せず、うじうじしています(笑)
あ、余談ですが、胎内記憶を聞き出すのは、お風呂につかっているときやおふとんに入ってリラックスしているときがいいそうですよ。
ぜひ、お子さんにお試しを!
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 5日 (月) 23時17分
私も胎内記憶の話は聞いたことがあります。
私は信じます。というか・・・
友達の息子さんが胎内記憶を話す子でした。
実際に会うと、信じるしかないです。
その息子さんが三歳の頃でしたね、
前世の事も話してくれました。
三歳でまだ、知っているわけがない、海外の話しを
しました。
前世の自分の家族の事、自分がどのように亡くなったか。絵を書いて説明してくれました。
友達は他の人には内緒にしてました。(人によっては変な目でみる人もいらっしゃいますからね)
息子さんが4歳になったとき、その話はしなくなり、
全て忘れたようでした。
そうゆうものだと思います。
息子さんは現在、10歳で元気に育っています。
また、人は強く願えば、来世も愛する人と会えると
信じてます。
投稿: みきみき | 2014年5月 6日 (火) 06時31分
ドキッとするお話ですね!
さぼてんの花さんのお話を読むと、
胎内記憶というのが素敵だなーって思えます。
私は自分の親を選んで生まれてきたと思いたくないですが…。
私は結婚するときに手術を2回して
そのとき不妊かもと言われてしまったこともあって、
奈良の大仏様やら京都の神社仏閣で
散々お願いしまくって授かったのではないかと
思っているのですが、
私の赤ちゃんが選んで来てくれたのだとしたら
大仏様か神様か…からの遣い(天使?)だったりして〜(笑)
と、思ったり思わなかったり
時々ドナルドダックみたいな声を出すので、
あひるかも…ですけどね…(^_^;)
投稿: Samantha | 2014年5月 6日 (火) 10時57分
それはすごいですね〜
もしも続きを話していたらどんなだろうと思いますが、
さぼてんの花さんの、動揺もすごく分かります。
突然そんな話が始まったら、驚きますよね。
うちの子は二人とも、生まれてくる前の話はしたことがありませんでした。
でも、私が双子育児に疲れて落ち込んでいた頃、
双子ママさんの先輩が、「あのお母さんなら、自分たちが双子でも育ててくれる」と見てからお腹にやってくるんだと、言ってくれたことがあります。ものすごく救われた思いがしたのを覚えています
投稿: クー | 2014年5月 6日 (火) 13時12分
みきみきさん、こんにちは(^^)
すごいですね、お友達のお子さん!
一つの取っ掛かりから、芋づる式に記憶がどーっとよみがえることもあるのでしょうか。
そして、思い出したこともきっと忘れてしまうからいいのでしょうね。
本当に不思議です。
信じられないような話ですが、
みきみきさんの言う通り!
実際に会うと信じるしかないですよね。
そうなると、運命の赤い糸というのも、まんざら嘘ではないように思えてきます
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 6日 (火) 15時22分
Samanthaさん、こんにちは(^^)
体調いかがですか?
赤ちゃんのためにはお母さんの健康が一番ですよ~
決して無理せず、お大事にしてくださいね。
…して、お子さん、あひるちゃん・・・?
うふふ~
それで、胎内記憶の話ですけど、
その考え方からいくと、赤ちゃんはどの子も自分なりの目的や使命をもって生まれてくるんですって。
中には、使命を果たすために、わざわざ難しい状況を選んで生まれてくる子もいるとか。
Samanthaさんの場合は、そういうチャレンジャー的なお母さん選びだったのかもしれませんね
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 6日 (火) 15時33分
クーさん、こんにちは(^^)
そうなんですよ!
冷静になってみると、続きが気になる…
でも、聞くのもちょっとこわいし、聞かなくてよかったんじゃないかとも思います。
とりあえず、あれはぼくだったんだよ!悲しむことはないんだよ~ というメッセージとして、今は考えています。
ちょっと自分に都合がよすぎる気もしますけど(笑)
双子ちゃんの子育てはとても大変でしたよね。

1人でもたいへんなんだから。
私のところに双子が来なかったのは、双子ママの適性なしと正しく判断されたからだと自信をもって断言します!
クーさんは選ばれたんですよ~
胎内記憶で多いのは、「ママを助けるために生まれてきた」ということなのですって。
お子さんたち、きっと力を合わせて、クーさんにあふれるほどの幸せをくれますよ。
ていうか、もうすでにいつもいつももらっているのですよね
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 6日 (火) 15時51分
こんばんは。素敵でドキドキするお話でした。
お話の観点から言うと逆の話にになるのかな?
ちょっと書かせてください。
私は、子どもが大好きで保育士になったのに
元夫の病気やら離婚やらで子どもを生むことが
出来ませんでした。若い頃は他人からも親からも
「どうして?」の言葉に理由が理由なだけに説明できず
に泣いた事もありました。自分の運命を怨んだ事も
あります。(キャ~)(笑)
今の夫とは再婚で義母も認知症だったりと多忙で(笑)
子どもどころではなく
結局、妊娠の経験もないまま今に至っています。
逆の話で 子どもが私を選ばなかった理由って何?って
昔 考えた事があるのです!
私は他人の子どもでも わけ隔てなく愛することが
出来るからきっと神様が選んで下さったのだ!
あたなには何人と決められた数の子どもより
もっともっと数多くの子どもがあなたを
必要としていますよ。そう言って下さっている!と
考えると楽になりました!(笑)
勝手な発想ですが・・。
生まれた子どもが安心できる世の中でありますように
神様に選ばれた私は 目を光られて犯罪を防いでいきましょう!(^^)/** ←(みどりのおばさん?!)ヤバ!
変なお話してすみません。。。
投稿: 舞 | 2014年5月 7日 (水) 02時17分
舞さん、コメントありがとうございます。
つくづく、人の生き方っていろいろで、幸せもひとつじゃないと思います。
舞さんのような生き方、とても素敵です。
本当に神様に選ばれた人なのではないですか?
舞さんご自身が、大きな志をもち、大きな使命を担って生まれて来られた・・・
そんな気がします
私が読んだ胎内記憶についての本には、
子どもに恵まれない人のこと、虐待する親の元に生まれてくる子のこと、病気で生まれてくる子のこと、死産で生まれてくる子のことなどにも触れてありました。
みんな意味があるそうです。
お母さんになにかしらのメッセージを伝えるため、自ら逆境を選んでくる子もいるそうです。
子どもに恵まれないことも、選ばれなかったという否定的なことでなく、やはり何かの意味があるのです。
生きていると、自分ではどうしようもない理不尽なことに出合うこともあります。
そこで押しつぶされてしまうことなく、自分の活路を見出すことができるって、すごい力ですよね
投稿: さぼてんの花 | 2014年5月 7日 (水) 22時55分