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様子をみる (3)

スティーブンス・ジョンソン症候群の名は、ずっと以前にテレビで見て知っていた。
市販の風邪薬や鎮痛剤でもまれに起こすことがある重篤な症状で、死に至るケースもあるという。
そんな恐ろしいことが家族の身にふりかかろうとは夢にも思っていなかった。

ネットで調べたところによると、薬疹の中で多形滲出性紅斑と呼ばれるもののうち、最重症型とされるのが中毒性表皮壊死症(TEN)であり、それに次いで重症なのがスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)だという。
この二つを合わせた発症率は、人口100万人あたりに4.4人というデータがある。
ということは、統計的には約25万人に一人の確率で大当たりなわけだ。
どうせなら、もっといいことに当たりたかった・・・
などとのん気なことも言っていられない。
即、入院である。
やっぱり、ただじっと様子を見ていては、だめだったのだ!

SJSで最もこわいのは、粘膜への発症である。
眼に出れば、失明の可能性もある。
呼吸器や消化器の粘膜にも細心の注意が必要だ。
主人の場合は、わずかに唇周辺に発疹ができただけで、幸いそのほかの粘膜や眼は異常がなかった。
一通りの検査を終え、点滴によるステロイドの投与が始まると、症状はみるみる改善していった。

いちばん高いときで38℃くらいあった体温も平熱に戻り、発疹の勢いも止まった。
発疹はよくなると皮がむけて治っていく。
主人の発疹は全身に広がっていたので、退院までにほぼ全身の皮がむけた。
頭のてっぺんから足の先まで、耳の穴だって例外ではない。
毎日、おびただしい量の皮が剥がれ落ちるので、お掃除のおばさんが日に何度も掃除しにきてくれた。
「あらー またたくさん出たわね~♪」と、明るく笑う掃除婦さんに心が和んだ。
病室に明るさは必要なものだ。
とにもかくにも、こうして文字通り“ひと皮むけた”我が旦那さまは、二週間ほどで退院することができたのだった。

後遺症もなく、すっかり元通りに回復できたのは幸運なことだった。
よかった~!と思う反面、思い返すと、あまりにも危機感のなかった自分がつくづく愚かに思えた。
もし、入院が遅れてもっと重症化していたら・・・と思うと、ゾッとする。
最近、いろいろ反省することが多い私であるが、改めてこの一連の出来事から得た教訓をまとめてみる。

教訓1
 様子をみることは、よくなるのを待つことではない。
 病状の変化をよく観察し、よくない兆候が現れた場合にはすぐ受診するなど、的確な判断を下すことが大切である!

教訓2
 正しい知識を持つこと。
 その病気の症状や経過、治療法について知らなくては判断を誤る!
 分からないことは、率直に医師に聞く。
 病院の先生にも、具体的でわかりやすい説明をぜひお願いしたい。

教訓3
 命を最優先に考えること。
 仕事が・・・ とか、今はちょっと・・・とか、何かを言い訳にして受診を先延ばしにしない!
 命や健康と引き換えにするほど価値のあるものなど、存在しないのだから。

教訓4
 薬は慎重に用いる。
 

 薬に反応する抗体ができるには、服用を始めて1~2週間かかるため、アレルギーによる薬疹は初めて飲んだ薬で起こることは通常ない。
 (しかし、いったん薬に感作されると、次に服用したときにはすぐに薬疹が現れる。)
 初めて飲む薬じゃないから と油断することなかれ。

 
 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

真剣に読み入ってしまいました。
スティーブンス・ジョンソン症候群、初めて聞きました。
怖いですね。 ダンナ様よくなられて良かったconfident
薬は怖いですよね。
あたしも一度薬で蕁麻疹のような湿疹が体中にできたことがあり、
それからはすごく薬に慎重になりました。
様子をみる… ほんとですね。
気になる症状が出たら迷わず診察を受けることが大事ですね。
判断が難しいけど、大丈夫ならそれで安心できますしね。

投稿: ところん | 2013年9月15日 (日) 17時34分

ところんさん、コメントありがとうございます。
お薬ってひとつ間違うと毒になるんですね。
そう思うとこわいです。
医師の指示に従って とか、
用法を守り とか、
副作用が現れたら とか、
注意書きが必ずありますが、そういうこともきちんと守らなくては!と認識を改めました。

ところんさんも、一度薬疹を起こしたことがおありなら、
その薬は今後絶対服用しちゃだめですよ~
その薬に似た構造を持つ薬にも反応することがあるそうなので、十分きをつけてくださいね!

投稿: さぼてんの花 | 2013年9月15日 (日) 18時24分

大変でしたねー 早めの処置が出来てよかったですね。それにしても色んな病気があるなと思いました、正しく診断できてよかったです。

投稿: いか | 2013年9月16日 (月) 00時20分

いかさん、コメントありがとうございます。
ほんと、いろんな病気があるんですね。
まだまだ知らないことってたくさんあるんだろうなーと思います。
つい、医療機関にかかっていれば大丈夫と、すべてを委ねてしまいがちですが、
患者側としての判断も大切ですね。

投稿: さぼてんの花 | 2013年9月16日 (月) 09時10分

ご主人、回復されて本当によかったですね。
我が家に限ってありえない・・・
と思いがちです。
薬は毒にもなります。私も勉強になりました。
ありがとうございます。

投稿: みきみき | 2013年9月16日 (月) 13時39分

みきみきさん、いえ、そんな…
恐縮です(〃 ̄ω ̄〃ゞ エヘヘ

実は私、我が家に限って… と思っていました。
どんなことも、絶対ということはないのですね。
今まであまりにも無防備でいたことに反省しました。
薬は便利なものですが、気をつけて使っていかなくてはいけませんね。

投稿: さぼてんの花 | 2013年9月16日 (月) 14時07分

当に青天の霹靂でしたね。薬の副作用は沢山ありますが、薬疹は特に怖いです。様子を見て痛い思いを長い間続けた記憶が甦りました。結果良ければ良しですが、病院側にはもう少し配慮が欲しいですね。(-_-X)

投稿: | 2013年9月16日 (月) 16時49分

岳さん、コメントありがとうございます。
岳さんも経験者でいらしたのですね。
だれにでも合わない薬というのはあって、たまたまそれを服用することになるかどうかだ というようなことを以前聞いたこともあります。
薬で助けられることも多いですが、その逆も少なからずあるということをきちんと認識し、十分に注意すること。
それが、患者側にも医療機関側にも必要だと思います。

投稿: さぼてんの花 | 2013年9月16日 (月) 17時01分

「なんだろう?』と思っている間も、不安でしょうが、
分かってからゾッとされたでしょうね〜
ご主人の苦痛も、さぼてんの花さんの心労も、
大変なものだったでしょうね。
無事快復されてよかったです。

薬は、病院から出されるものだし、信用しきってました。
「様子を見る」事の大事さ、
はじめて気づいた気がします。
ありがとうございます。

投稿: クー | 2013年9月17日 (火) 09時16分

クーさん、いえいえこちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。
初めネットで調べていて、この病名を見たときも、頭の中で除外しちゃっていました。
そんなたいへんなことになるわけない と。
だから、この病名を聞かされたときはほんとにこわくなりました。
こんなこともあるのが現実なんだなーと。
本人も、下手したらオレ死んでたんだなーと後になって言っていました。
そんなことにならなくて、ほんとによかったです。

でもこれはだれにでも起こりうることなので、どうかみなさん、くれぐれもご注意下さいね。

投稿: さぼてんの花 | 2013年9月17日 (火) 10時36分

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